第1275回 通常例会「フジ・プランツ ビジネスモデル」

開催日時 平成30年8月24日 金曜日
開催場所 西尾信用金庫中央支店2階
合唱曲 それでこそロータリー
卓話者フジ・プランツ(株)代表取締役 鈴木善和 君
お客様
司会進行三浦隆司君

会長挨拶

 8月10日のガバナー補佐訪問の際には各委員長さんをはじめ会員の皆さまに出席をしていただき、ガバナー補佐訪問は無事に終わりました。寺部ガバナー補佐からは温かいお褒めの言葉ばかりいただき大変恐縮した思いでした。ぜひ、このKIRARAロータリーの仲間を1年間、仲良く楽しくやっていきたいという思いがしました。
 台風20号が昨日通過しましたが、我々農業をやっているものとしては台風が一番恐怖に感じるもので、今日の卓話の時に、台風が来たら卓話は次の方にお願いしたいと、そこまでの了承を得て手はずはきちんと整えてあったのですが、台風の方はこの地方にはたいした影響もなく済みました。未だに太平洋側から雨雲が日本にどんどん向かってきており、今日明日と天気がぐずつくようです。でも幸いにも被害の方もKIRARAのメンバーにはないと聞いています。私たちの農業という職業は、夏は暑さ対策でいかに温室の中を涼しくして作物を育てるか、冬は重油や電気で暖房をしていくのですが、働いている私たちは外が寒いなか春のように暖かく20℃~25℃くらいの快適な温度で仕事をしています。
私も48年間バラ栽培をやってきて、いくつかの台風に遭遇してきました。特に今は全てガラス温室でバラを生産していますが、昔はビニールハウスで、その時には台風が来るとなるとビニールハウスを押さえるために、黒い紐で30センチ間隔にビニールを押さえ、それを全員でもう一回締めなおし、ハウスの上に登ってその紐がずれていかないか見たりと大騒動で、30年ほど台風が来る前はずっとそのようなことをやっていました。それが今、鉄骨アルミのガラスのハウスになり、サイドの鍵を閉めて抑えることができるところは押さえたり、つっかえ棒をしたりしました。天窓やサイドは自動で開くようになっているので夜中に電源が入って勝手に開いてしまわないように電源を切り、後は運を天に任せて朝を迎えるという日々を、施設園芸をしている人は未だに全員がそういった経験をしております。幸いにもこの地区には大きな被害がなかったのでありがたいと思っています。私がバラ作りをやっているなかで、40年前初めてヨーロッパに行った話を次回から何シリーズかに分けて話したいと思います。あまり小難しい話はできないので、自分の領分の中のバラ作りに携わっている中で、見たり聞いたり体験したり味わったりというような話をしていこうと思います。今日はこんなところで会長挨拶に代えさせて頂きます。何より災害がなかったということが一番の大きな喜びでした。
 
最後に連絡ですが、30年度の西尾市中学生の国際交流海外派遣ということでKIRARAからも5万円の助成をしています。その中学生が8/16から22日までシンガポール、マレーシアの方へ20名の生徒と先生が行ってこられて、そのお土産が置いてありました。
 それと、今回の台風のような場合、例会を休会するかどうかは気象に関する特別警報を基準とすることではなく各クラブに任せられると定款に記されているので、今後どういう基準で中止するか検討していきます。

出席報告
会員総数 出席免除者 本日の出席会員数 MU数 本日の出席率(%) 修正出席率(%)
54 30 42   90.91  

スマイル委員会報告

【大須賀慶一会長】
 台風20号の襲来で大変心配をしましたが無事に日本海へ去ってくれました。
本日は会員卓話にて鈴木善和君の話を楽しみに聞かせてもらいます。

【鈴木昭夫幹事】
 待ちに待った鈴木善和君の会員卓話です。
是非、お金が溜まる秘訣をお話し下さい。楽しみにしてます。

【大高純治君】
 先日の母親の葬儀には大勢メンバーの方に会葬いただき、ありがとうございました。

【中根勝美君】
 ここ西尾?
フジ・プランツを初めて訪問したとき思わず出た言葉でした。
スケールが違います。防疫体制が違います。すばらしすぎるフジ・プランツ。
本日はよろしくお願い致します。

【鈴木善和君】
 プログラム委員長の中根さんには心配かけましたが、台風の被害もなく今日の例会に出席出来ました。
今日は卓話を仰せつかっています。皆さん、30分ご辛抱下さい。

【久恒治人君】
 鈴木さんの卓話楽しみです。鈴木さんの娘さんは、西尾一の旧家である新家(にいのみ)家に嫁いでおられます。
娘むこさんは伊文神社の神主です。従って鈴木さんに失礼なことをしますと神罰が下ります。呉々もご注意下されたく。

【神谷昭光君】
 久しぶりに例会に出席しました。
誕生日プレゼントありがとうございました。

【丸目藤二君】
 終戦記念日8月15日に、ついに10人目の孫が誕生しました。10人もいると孫の誕生日覚えていませんが、この子だけは忘れない日となりそうです。

卓話

 私ども「フジプランツ」という会社でカーネーションの種苗を生業としています。たまに例会にカーネーションの切花を持ってきます。おそらく多くの方たちは、私がカーネーションの切花生産農家であると思っているかと思いますが、実は全く違うのです。あくまで品種の開発と種苗の販売が生業です。それについて話をしたいと思います。
 今日はあえて私の自慢話をさせていただきたいと思います。昭和42年からカーネーションの切花栽培農家を始めました。約10年間位は切花の専業農家として花を売っていました。どうしたら高く売れるのかというところに注目したころ、日本で自分だけの品種があればいいと考えオランダの会社へ直接手紙を書いてその品種を、商社などを一切通さずに直接そこから買おうとしました。当時の日本は知的財産権に対する考えに乏しく、植物に対する知的財産権を守る意思がありませんでした。「私は知的財産権を守ります、代理店をさせてください」と伝えました。そういうところから、まず品種をもらい試作を入れて日本で自分だけの品種を作り、これで儲かったというところがあります。はじめから種苗会社になったわけではなく、自分が切花栽培で使う花、その枠が広がり、自分のためプラス仲間が使う苗を輸入するというとで15年前が2足のわらじという形になります。当時、非常に高かった輸入苗ですが、私が販売したのが通常の1/3くらいの値段で、当時でいう価格破壊を種苗についてやることができた。それは私が個人でやっているからです。そこが今の種苗の始まりです。
 今日お話したいのは自社ブランドの重要性です。これは当然みなさんお分かりのことです。私どもに関しては、新品質の育成であり開発をどうするかということです。知的財産権、この品種保護という形の中で自分の権利をどう守っていくか、世界の花卉産業、カーネーションの生産流通消費はどうなっていくのか、花卉産業の将来というようなことを時間があればお話したいと思っています。
 今の種苗販売の仕事に入るきっかけが2つありました。1つ目は青年海外派遣団員としてオセアニアに派遣されたことです。当時の皇太子ご夫妻に帰国してからお会いしたときに、オセアニアはどうだったかと聞かれお答えした記憶があります。海外派遣のとき着ていた制服から旅費まで全て政府が負担していたので一人当たり120万円以上の国家予算が使われていました。もう1つのきっかけは日本が品種保護に係わる国際条約を批准したことです。UPOV(植物新品種保護国際同盟)という植物の知的財産権のための世界組織があり、日本は1982年にUPOVの78年条約に加盟しました。これは農家さんの自家増殖はOKですよという非常に管理のぬるく、知的財産権という考えが乏しいときのものです。1998年UPOVの91年条約に国会承認、加盟をします。そのなかでは育成者の権利の保護、新品種育成に対する報酬の保障、つまり新しい品種を作ったら、そこから発生する利益は開発者のものという形で、植物特許の権利の独占も出来ます。生産増殖販売、農家による自家増殖は禁止という条項が盛りこまれました。78年条約までは民事上の栽培契約書による無断増殖の取り締まりまでしかできなかったことが、91年条約以降は刑事事件として訴えることができるようになりました。
 カーネーションの自社ブランドを持つためにはどうするかという、新品種の育種・開発という問題で、競合他社との値段競争にあたりどうしても自社ブランドの品種が必要になってきます。当時、ヨーロッパには何度も行っていましたし、カーネーションの種苗会社の組織に所属しているイスラエルの育種会社 BREIER & SON 社とカーネーションの新品種の共同開発をすることになりました。2番目にオリジナリティのある自社ブランドを持つためには、他社育成品種をフジプランツが独占販売権を獲得することにしました。いろいろな会社と交渉を行っていました。アメリカの会社では日本向けのおもだった品種だけを買収しました。年間売り上げの5年分のロイヤリティーがひとつの相場となります。
社員にはカーネーションの育種と開発は、自分の感性をおうものだと話しています。一般の花屋で受け入れられる色だとか、市場に品種を紹介する側としては、我々が感じたものを同じように相手も受けてくれるかどうか、そのあたりが品種選びの一つの重要な点でもあります。
イスラエルとの共同開発は1993年から始めています。どこからどこまでがイスラエル、ここからここまでが日本というようにきちんと決まっています。原種はBREIER & SON 社が持っていて、毎年10万くらいの種を作らせます。カーネーションは雑種なので、10万種を作ると10万品種でき、その中から1次選抜として2000品種ほど選びます。その後イスラエルで2次選抜として1000品種選び、3次選抜は50品種ほど選びます。そしてそれがずっと維持されていきます。イスラエル側は、その母株の維持と生産販売をするよう仕事の分担をしています。日本側はまず日本向けにどんな色合いどんな形がいいのかをチェックし、2次選抜の1000品種から始まり、残すのは1%くらいです。交配から5年後に発表をして、カタログに載せ種苗法への登録の申請と品種保護を取り、切花生産用の苗を日本や海外へ販売しています。同時に育種家の集まりの世界組織へ参加しています。自分の権利を守るためには国内だけで動いていてもしかたがない、これは国際的な枠組みの中で一つのビジネスとして考えていく必要があります。今の育種事業は、この掛け合わせでいくと20年後こういう品種ができるということまで計算をします。その通りになったものもあればならなかったものもあります。それだけ育種というのは難しいことです。種を蒔くと1週間ほどで芽が出ますが、1%、ほんとうにわずかなものしか残せない。どんな形の基準に沿って選んでいくかというと、特性の調査を1品種ずつすべての品種に行います。花の色や形、花持ち、生産性があるかどうかを見ることになります。
実はイスラエルの会社以外にいくつかの海外の育種家と取引の契約を結んでいます。それは相手の会社が潰れる可能性もあるからです。相手の会社も当社が潰れたら…と考えているとは思いますが、フジプランツの名前で日本での独占販売権や種苗登録をおさえている以上、外国の企業に日本でのフジプランツの地位を奪うことはできません。ある意味、育種会社は強いと言えるが、その上にはまた別の世界があるということがいえます。
年間1500品種ほど試作を行い、その結果のよいものが販売品種となっていきます。せっかく時間をかけて作った品種について、どういうかたちで保護・保全をしていくかという問題をお話します。植物新品種保護法がUPOVの91年条約を経てから制定されました。PVPというのはPlant Varioty Protection「植物品種保護」の略で、種苗法の登録品種(登録出願中)を表示するマークです。多くの試作品の中から毎年10品種以上の品種登録の申請をまず行い、登録申請後に販売を行っていきます。登録申請受理されたということは、同時に権利の保護を受けることができます。この段階で特許がなくても、将来特許が降りた場合この当時に遡って相手を訴えることができます。当然これだけでは不備なので、栽培農家と栽培契約を事前に締結します。自家増殖の禁止で1年しか使えません。この契約のリピートが当社のビジネスを支えています。
日本に3つほど植物の知的財産権保護の機関が農林水産省のなかにあるのですが、そこの公益社団法人農林水産・食品産業技術振興協会(JATAFF)が知的財産権の問題や産業振興についてどうするかといったかたちのことをやっています。その中で植物品種保護戦略フォーラムというものがあります。私はそこの企画委員をずっと務めていました。各業界の代表者がここに集まり日本の農業の知的財産権をどうするのかを話し合っています。一昨年から海外での日本の品種登録のサポートに取り組み始めました。これは海外で日本の品種が勝手に生産され日本に輸入されるのを防ぐ為に、海外での品種登録を進める必要があるからです。昨年は中国で5品種登録しました。過去には韓国でも登録しています。知的財産権を守らないと今後の農業の発展はないという認識があるため国として動いています。
20年間、新種開発を共に続けてこられたのはお互いを尊重しようという、目先の利益を追求しないという発想で仕事をしてきたからです。
この次にある程度シェアができてくると、日本以外の国で自分の権利を守ろうとする動きが出てきます。中国から無断増殖品が大量に日本に入ってきた時代がありました。そこでCIOPORA(国際栄養繁殖性花き・果樹育成者権者団体)の中の4つの会社(日本、オランダ、スペイン、ドイツ)が中国で輸出許可証システムを導入し、日本の農家はロイヤリティーを払って栽培しているので、このステッカーのないものは訴えますよという動きをしました。これで一時は少なくなりました。
私どもの会社は世界各地で栽培を行っていますが、輸入に関してなど商社は一切通さずに全て自社で行っています。1日の最大の出荷量は100万本くらいになると思います。現在30%ほどのシェアを日本で持っています。
現在、赤道南北経緯20度のフラワーベールで生産されています。産地はコストの安いところへどんどん移動していきます。
日本では1年で一度も花を買わない家庭が6割です。どうぞみなさん花を買ってください。

各種委員会報告

会長挨拶 : 大須賀慶一会長

幹事報告 : 鈴木昭夫幹事

出席報告 : 名倉宗市朗君

スマイル発表 : 澤村彰佑君

炉端会-案内 : 野口要二君

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スマイル発表 炉端会-案内

詳細はホームページをご覧下さい。 [http://kirara-rc.jp/kaihou.php]